【キミの形をしている】

表紙を依頼する際、本の内容と原作名などをお伝えしました。
他にも私のイメージで形のキューブをそれに合う穴に入れて遊ぶ赤ちゃんのおもちゃ(未だに名前がわかりません)がありそのこともお伝えしました。

カラーなどはお任せにしたと思います。
そして出来上がったのがこの表紙です。
まず驚いたのは描かれたキューブでした。
この表紙を作って下さったデザイナーさんがこの原作やキャラを知っていたのか、それとも調べて下さったのかはわかりませんが、間違いなくこのキャラたちの本だとわかるものでした。

更に、このキューブの各色が原作に出てくるキャラたちを連想させるものでもあるのです。
特に「4」という数字と「はさみ」の色が若干違うことに気づいた時には震えました。
あとこれらのキューブがはまっていくボックスが水色っていう。
ここまでくると偶然ではなくデザイナーさんの意図なんだろうな、と。

また、全体の黄緑色は私の中にはない色でした。このカップリングを書く上で黄緑色のイメージはありません。
しかもちょっとまだら、というか一色ではないんです。
普段自分は使わない色なのでこういうのも人に依頼する楽しさだなぁと感じていました。
現に既刊類と並べて目立つので新刊と分かりやすくよかったです。

しかし、時間が経ってから上で書いたようにキューブがこれだけキャラに関連しているのに、背景が適当なことってあるかなと思いはじめて、なぜこの色なんだろうなぁって考えました。
若葉色で、若葉色と言えば新芽かなぁと思って、新芽ということは新しく生まれたんだなぁと思って。

そこでこの話の内容を思い返したんですよ。
この話、昔付き合っていたABが別れて再び付き合う話しなんです。まだらな若葉ですよ。ピカピカ若葉じゃない。
この背景色でそれを表現してくださったのかと思って時間差で震えました。

この表紙だけで新しい話しが書けるんじゃないかと思うほどです。
キレイな表紙だけではなく、話しを表現してくれるだけではなく、自分の中で固まっていたキャラ観まで揺さぶってもらった気がします。デザイナーさんありがとうございました。

最後に、文字書きにとって表紙は悩みの種であると思います。
イメージはあるのに作ることが出来なかったり文字では表現できても画像で表現できなかったり。
そう言う時に誰かに丸投げするのもいいですよ。
絶対入れて欲しいアイテムがあれば伝え、話しのサビがあれば伝え、苦手なテイストがあれば伝え、そうやってどんなのが出来るか当日を待つ。
表紙って作るだけで一日使うこともあるので、頼めるなら頼む。
ただ難点は、表紙オーダーの締め切りまでにタイトルが決まっていなかったり、書いているこちらもラストがわからないっていうときですね。
そう言う時はフルオーダーを諦め、セミオーダーの表紙の中から決めたりします。

サークル名 【冬の稲妻】様