同人誌紹介ブログ

outsider


【サークル:花嵐 / 土星の猫 様】 Twitter / pixiv
【デザイン・イラスト:ずんだ城 / ホシヅ様】 pixiv
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【表紙:トレーシングペーパ-107kg-ホワイト/オンデマンドカラー+マットPP+箔押し加工(色箔:白)】

眠っている少年の傍で、誰かが頭を撫でています。
少年に落ちる窓影の表現が美しく目を引きますが、どこか寂しげでもあります。


【表紙を少し浮かせると】

表紙を少し持ち上げて見ます。
すると、表紙には右上の人物だけになってしまいました。


【表紙をめくってカラー口絵へ:コート紙-110kg/カラー印刷】

表紙には紫色の影部分と右上の人物、それと白い題字のみが描かれ、
少年のイラストはトレーシングペーパーの表紙から透けるカラー口絵として描かれていました。

表紙の色味が濃すぎると透け感があまり無くなってしまうことがありますが
こちらの程よい影感は、見えすぎず見えなさすぎず、ちょうど良い仕上がりになっています。

ふたりでいたはずなのに、気づいたら一人になってしまう。
そんなイメージが伝わってくる切ない表紙回りです。


【箔押しのアップ】

タイトルは印刷ではなく箔押しであしらっています。
表紙の雰囲気を損なわず、しかし存在感もしっかりとある『色箔・白』を選択。
金箔や銀箔のように輝くことはありませんが、印刷とは違う質感で目を引きます。


【本文:クリームキンマリ-72.5kg/オンデマンドスミ刷り】

本文はクリームキンマリを選択。
柔らかい色味と紙質で読みやすく、人気のある用紙です。

章の切り替わりのデザインがカッコよく、章の題字まわりがすっきりとしています。


【巻末カラー口絵:コート紙-110kg/カラー印刷】

巻末にもカラー口絵が入っています。
(正確には本文の終わりと奥付との間に差し込んでいます)

やや暗い色味の多かった表紙回りと異なり、こちらは明るい色使いで描かれています。


【ウラ表紙:トレーシングペーパ-107kg-ホワイト/オンデマンドカラー+マットPP】

ウラ表紙です。本文の奥付ページをあえて透けさせているデザイン。

明るい茜色の空は、表紙とは印象が変わって少し希望のあるようなイメージがあります。
表紙と裏表紙で違う印象を持たせ、本文の読後感に合わせているのがとても秀逸です。

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◆お客様から頂いたコメント◆

土星の猫 様

本文の執筆中にスケルトンカラーのページを拝見して、この装丁で本を作りたい!と強く思ったことがきっかけです。
元々イラストの作製をホシヅさんに依頼しておりましたのでこういった特殊な作り方での作業は可能か、確認を取ったところ、すぐに快諾して頂き、今回の仕様になりました。せっかく表紙を特別なものにするのであれば「紙の本である利点を活かしたい」と思い、本文の見せ方にも少し手を加えました。実際に本を手に取って物語を読み進めていった時、「あっ!」と感じていただければ嬉しいです。
イベント当日、ダンボールを開封するまでは不安と期待で心臓がドキドキしていました。実物に触れた手が嬉しくて震えたのが今でも忘れられません。とっても思い出の深い、大切な一冊です。
私のたくさんのわがままを聞いてくださり、しまやさん、ホシヅさん、本当にありがとうございました。

ホシヅ 様

実際に作中に出てくる「体内時計が狂って日中も1人でこんこんと眠ってしまう男の子」「主人公の寝顔を見守る男性」の描写が、個人的に、この本における主役二人のもどかしく停滞する関係を如実に表していると感じ、この部分を土星の猫さんからオーダーして頂いた「スケルトンカラー表紙」で再現したい!と思いました。
色を塗る際に、トレペを通して見た時の遊び紙と表紙の着色にギャップが出過ぎないよう調整したり、どの程度の暗い色だったら下の遊び紙が透けてくれるのか、夜闇に見えるギリギリの色まで攻めたり等、普段使わない箇所の脳を働かせながらのイラストのお手伝いになりましたが、貴重な経験ができてとても楽しかったです。
それでもちゃんと透けてくれるか気が気ではなかったので(笑)、実物を見た時はとても安心しました。綺麗に印刷してくださり、ありがとうございました。
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